院長ご挨拶
歯は一度削ると元の状態には戻らず、詰め物や被せ物をしても、そこから再びむし歯になることがあります。
だからこそ、まずは病気にならないようにすることが大切だと考えています。
当院は治療だけの場所ではなく、これからの健康を守るために気軽に立ち寄れる歯科医院でありたいと思っています。
小さなことでも構いませんので、どうぞ安心してご相談ください。
【院長】 三浦 宣敬
経歴
| 2014年3月 | 九州大学歯学部 卒業 |
|---|---|
| 2016年4月 | 三浦デンタルクリニック 就職 |
| 2017年2月 | 三浦デンタルクリニック 院長就任 |
ドクターズインタビュー
訪問診療に力を入れているのは、どのような思いからでしょうか?
訪問診療は、父の代からずっと続けてきた取り組みで、当院にとって大切な診療の一つです。
通院されていた患者様が高齢になり、ある時期から「もう歩いて通うのが難しい」とおっしゃることがあります。
そのような状況になっても、できるだけ今までと同じようにお口のケアを続けてもらいたいという思いがあります。
長く診てきた方ほど、お口の状態や生活習慣、体調の変化など、さまざまな背景を理解したうえで関わることができます。
そこで通院が難しくなった段階でも、こちらから伺って引き続きサポートし、食事や会話がしやすい状態を守っていきたいと考えています。
訪問診療は、患者様の「ここまで頑張ってきた生活」をそっと支える大切な医療だと思っています。
ご自宅や施設で安心して治療を受けていただけるよう、これからも丁寧に向き合っていきたいと思っています。
長崎の地形や交通事情は、訪問診療を続ける理由にも影響していますか?
長崎は坂が多く、坂の上に住んでいる方はどうしても通院が難しくなりやすいんですね。
若い頃は問題なくても、年齢を重ねると少しの距離でも負担になってしまいます。
地方ではバスの本数が減っている地域もあり、思うように歯科医院に通えない方が増えています。
そういった状況の中で、こちらから伺う訪問診療はとても大切な役割を担っています。
治療を受けたあとに患者様が「来てもらえて助かった」と笑顔を見せてくださると、こちらも本当に嬉しくなります。
長く通ってくださっている患者様を大切にしながら、最後まで責任を持って診ていきたいという思いがありますし、これから出会う患者様にも安心して来ていただけるよう、地域に根ざした歯科医療を続けていきたいと考えています。
施設への訪問や地域全体の診療体制について、どのように感じていますか?
施設にも伺っていますが、入所されている方の中には、お口の中や入れ歯が非常に汚れてしまっているケースも少なくありません。
丁寧にケアを続けていくと、少しずつ表情や声に力が戻ってきて、「ご飯が食べやすくなった」と喜ばれることがあります。
そんな瞬間に立ち会えることは、訪問診療ならではのやりがいだと感じています。
ただ、訪問診療を積極的に行っている歯科医院は決して多くなく、本当はもっと地域全体で訪問診療の意識が高まるといいなと思っています。
患者様にとってだけでなく、歯科医療を提供する側にとっても大切な医療であることを、広く知っていただけたら嬉しいですね。
訪問診療では器具が限られる分、治療に制限があるように見えますが、実際にはどこまで対応できるのでしょうか?
訪問診療は、医院のユニットと全く同じというわけにはいかないので、状況に応じて工夫が必要になる場面はあります。
それでも、できるだけ普段と同じ質の治療を受けていただけるように準備を整えており、むし歯治療から被せ物・ブリッジの製作、精密な型取りまで基本的な治療には幅広く対応しています。
連合印象が必要な場合も、患者様の状態を見ながら丁寧に進めています。
治療後に「噛みやすくなった」と喜ばれる姿を見ると、訪問診療を続けてきて良かったと感じます。
訪問先では、どのような工夫をしながら診療を行っているのでしょうか?
訪問診療では、持参する機材が多かったり、環境に合わせて姿勢を調整したりと、体力も集中力も必要になります。
ユニットで行う治療とは勝手が違うため気をつかう場面は多いのですが、通院が難しい方にとっては訪問診療が生活の質を支える大切な手段になるため、できる範囲でしっかり向き合うようにしています。
歯が使いやすくなることで食事がスムーズになったり、会話がしやすくなったりと、生活が前向きに変わっていく方もいらっしゃいます。
訪問先では清掃やケアを中心に進めることが理想ではありますが、必要があれば治療まで含めて対応しています。
その方の生活に合わせて無理のない範囲で診療を続けていくことを大切にしています。
訪問診療では、治療の進め方で意識していることはありますか?
訪問診療はその都度環境が変わるため、患者様の負担をできるだけ減らすことを大切にしています。
特に意識しているのは「無理のないスピードで、必要な範囲にしぼること」です。
開口器を使えば作業は早くなりますが、訪問の場面ではかえって負担になることもあり、基本的には使用していません。
お口の開き具合や呼吸の様子、表情の変化を細かく見ながら「続けられるか」「少し休んだほうがいいか」を判断し、苦しくない姿勢を保っていただけるよう気をつけています。
治療内容や進め方で工夫している点はありますか?
訪問診療は患者様にも私たちにも体力を使う場面が多いため、必要な治療を行う際は集中して短時間で終えられるよう準備を整えて臨んでいます。
同時に、全身状態を第一に考えることも欠かせません。
たとえば、軽いむし歯があっても治療による負担が大きいと判断した場合は無理に触れず経過を見守ります。
一方で、外れそうな被せ物や痛みにつながる部分があるときは、体調を確認しながら必要な処置を行います。
訪問診療は毎回環境が異なるからこそ、生活背景やその日の様子に合わせて柔軟に対応し、安心して治療を受けてもらえるよう心がけています。
義歯(入れ歯)治療に力を入れている理由を教えてください。
義歯に力を入れているのは、父の代から受け継いできた流れがあるからです。
父はアメリカで義歯を専門的に学び、院内で自費の入れ歯を丁寧につくる診療を続けていました。
幼い頃からその姿を見てきたことで、私自身も義歯治療の大切さを自然と意識するようになりました。
外来でも訪問診療でも義歯で悩む方は多く、噛みにくい、痛い、外れるなど、生活に影響が出るほど合っていないケースも少なくありません。
そうした状態が続くと、食事が偏る、体力が落ちるなど、全身にも影響が出てしまいます。
だからこそ「入れば良いもの」として扱うのではなく、きちんと噛める義歯を目指して診療しています。
診療の中で、義歯づくりや調整の際に大切にしていることはありますか?
訪問診療でも義歯を使われている方が多く、調整や作り直しは欠かせません。
使いにくさを我慢している方ほど生活の質が下がってしまうため、一人ひとりの状態に合わせて丁寧に向き合うことを心がけています。
また当院には院内技工室があり、技工士と直接やり取りしながら進められる点も大きな強みです。
お口の状態をその場で確認しながら細かな調整ができるため、フィット感や噛み心地にこだわった義歯をご提案しやすくなります。
義歯はその方の食事や会話を支える大切なものです。
「痛いから仕方ない」と諦めている方にこそ、少しでも快適に使える状態を取り戻してほしいと思いながら診療しています。
入れ歯の設計や製作はどのように行っているのですか?
当院では、入れ歯の設計から製作、調整まで一連の工程を院内で完結できる体制を整えています。
外部に依頼せずに進められるため、細かな調整が必要な義歯でも、その方のお口の状態に合わせて柔軟に対応できるのが大きな強みです。
設計については、まず私が患者様のお口を丁寧に診察し、噛み合わせや残っている歯の状態、支えとなる粘膜の質などを踏まえて考えています。
そのうえで、必要に応じて技工士にも意見を聞きながら、より良い設計を一緒に検討することもあります。
技工士がすぐ近くにいるからこそ、相談しながら進められる安心感があります。
自費の義歯に関しても、院内で対応できる範囲が広いため、自分の目で確認しながら仕上げられる点を大切にしています。
特殊なアタッチメントを使った義歯など、一般的にあまり扱われていないタイプでも、院内で製作ができることは強みの一つです。
患者様が長く安心して使える義歯にするためには、設計から製作、仕上げまでの一つひとつがとても重要です。
院内で目の届く範囲ですべてを完結できることは、より快適に噛める義歯づくりにつながると感じています。
噛み合わせの治療を特に大切にされている理由を教えてください。
噛み合わせは、ほとんどすべての歯科治療とつながっている大事な部分だと考えています。
むし歯の進行、詰め物や被せ物のトラブル、歯周病の悪化、入れ歯の使い心地、インプラントの安定性……どれをとっても、噛み合わせが関わっていない分野はありません。
噛む力のかかり方が偏っていたり、わずかなズレがあるだけでも、歯が欠けやすくなったり、むし歯や歯周病が進みやすくなったりします。
同じ治療をしても、最後の噛み合わせの調整がうまくいかないと、また同じトラブルが起きてしまうこともあるんです。
噛み合わせを整えることは、お口全体のトラブルを防ぎ、治療を長持ちさせるための土台づくりのようなものだと思っています。
だからこそ、どの治療でも噛み合わせを丁寧に見ることを大切にしています。
噛み合わせへのこだわりは、お父様の影響も大きいのですか?
そうですね。父も噛み合わせに強いこだわりを持っていて、若い頃からアメリカで咬み合わせを学んできたようです。
南カリフォルニア大学の日本人教授の元で、細かい咬合理論や調整方法を徹底的に勉強したと聞いています。
その影響で、私は子どもの頃から「噛み合わせが大事だぞ」という話をよく聞いて育ちました。
父が残してくれた資料やノートには細かい調整の理論がぎっしり書かれていて、今でも参考にすることが多いです。
最新の技術や機器ももちろん大切ですが、噛み合わせに関する基本的な考え方は昔から変わらない部分も多く、その知識に支えられていると感じます。
噛み合わせは全身の健康とも関係しているといわれますが、それについてはどう感じていますか?
しっかり噛めない状態が続くと、栄養の吸収がうまくいかなかったり、消化に負担がかかったり、肩こりや頭痛が出ることもあります。
咀嚼は「食べるための機能」でありながら、実は全身につながっているんですよね。
入れ歯でもインプラントでも、天然の歯でも「噛み合わせが安定しているかどうか」がその後の健康に大きく関わります。
だからこそ、歯の形や当たり方、顎の動きなどを細かく確認しながら治療を進めるようにしています。
父からも「噛み合わせはお口全体の入口だから、決しておろそかにするな」とよく言われました。
その考え方は、今の私の診療にも自然と受け継がれていると思います。
噛み合わせ治療は、患者様には少しわかりにくい分野だと思います。説明するときに意識されていることはありますか?
そうですね。噛み合わせの話は、確かに最初から患者様の主訴として上がりにくい部分だと思います。
むし歯が痛い、詰め物が外れた、入れ歯が気になる。
ほとんどの方は目の前の症状で来られますので、いきなり「噛み合わせが大切ですよ」と言われてもピンとこないですよね。
なので、まずは患者様の強すぎる力が歯にダメージを与えるということを、できるだけわかりやすくお話しするようにしています。
痛みがなくても、歯と歯の当たり方に偏りがあると、別の形で症状が出ていることが少なくありません。
歯ぐきの腫れだったり、被せ物のトラブルだったり、肩こりのような全身の症状につながることもあります。
噛み合わせとは一見関係なさそうなことでも、少し紐づけてお話しすると、患者様も「あ、そういうことなんだ」と理解してくださる方が多いです。
治療の流れの中で軽く調整をすると、「なんか噛みやすくなりました」とその場でおっしゃる方もいらっしゃいます。
再診で1週間後に来られたときにさらに実感されることもあり、そういった体感があると患者様もより理解が深まりますね。
もちろん中には「削られるのが怖い」という方もいらっしゃいます。
その場合は無理に進めることは絶対にしません。誤解を生まないよう、納得していただいたうえで、必要な範囲だけ行うようにしています。
「今日は触らずにおきましょう」と判断することもありますし、人を見ながら丁寧に進めることを大切にしています。
噛み合わせは患者様ご自身では気づきにくいのですが、症状の根本に関わることがとても多い分野です。
主訴の改善と並行しながら、自然な流れでお話しするように心がけています。
三浦デンタルクリニックとして、どんな患者様に来ていただきたいと感じていますか?
もちろんどの年代の方でも歓迎なのですが、できれば若い方にもっと気軽に来てもらいたいという思いがあります。
若い方ほど、痛みがなくなると通院が途切れやすかったり、「まだ大丈夫」と後回しになってしまうことが多いんですよね。
でも、本当は若いうちから歯の状態をきちんと見ておくことが、とても大切なんです。
歯は一度悪くなると連鎖的に別の歯にも影響が出ることがあり、気づいたときには想像以上に進んでしまっているケースもあります。
当たり前のように噛めることって、実はとても貴重なことなんです。
しっかり噛めることで、食事が楽しめて、栄養がとれて、体が作られます。会話だってそうです。
歯があることで発音が安定したり、表情が豊かになったり、見た目の印象も変わります。
若い方には、その大切さを早い段階で知ってほしいですし、「痛くなくても歯医者に行くのは普通のこと」そんな感覚を持ってもらえたら嬉しいですね。
歯医者が苦手な方でも、ちょっとしたお悩みでも、全然構いません。
小学生くらいの小さなお子様からでも、歯医者に慣れておくことはすごく意味があります。
通院の頻度も、半年に一度でもいいですし、毎月来ていただいても問題ありません。
予防やメンテナンスで来ていただくことが一番トラブルを抑えられますし、困ることはひとつもありません。
これから何十年と使っていく大事な歯ですから、若いうちから歯を守る習慣を身につけてもらえると嬉しいですね。
今後の展望について教えてください。
今後は、訪問診療を継続しながら、外来も同じように充実させていくことが大切だと考えています。
幸い、妻も歯科医師としての経験があり、補綴やインプラントにも携わってきた人なので、将来的にはお互いの得意分野を活かしながら医院を支えていければと思っています。
私が訪問診療に行く日には、外来を妻に任せるような体制もつくっていけたら理想です。
どちらか片方に偏らず、訪問診療も外来も、どちらも丁寧に続けていくこと。
これが、今の自分が大切にしたい医院の形です。
患者様の状況に合わせて必要な医療を届けられるように、これからも環境を整えながら、一つひとつの診療に向き合っていきたいと思っています。